気密性についての定義はありません。

ネット・ゼロ・エネルギーハウスの定義

国が推進するネット・ゼロ・エネルギーハウス。世界の環境問題で二酸化炭素の排出を防ぐためには高気密高断熱住宅が求められています。

世界的レベルから言うと日本は大幅に遅れています。先進国の中では圧倒的に性能の低い住宅に日本人は住んでいるのです。(ただし、日本には高温多湿という難しい問題があるため、仕方ないと思う部分もある。)

日本ではネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)であったり、低炭素住宅であったり、長期優良住宅や温熱等級といったもので住宅の高気密高断熱に対する性能が求められますが、基本すべて外皮と断熱の性能により性能値が求められます。しかし、気密性は全く問われません。国の考えとしては、今の住宅であればそれなりに気密性は取れているという前提になっているのです。

気密性が問われないのは何故か?

いろいろ諸説があります。

  • 大手ハウスメーカーが反対をした。理由は気密性は技術力が数字として反映されてしまう為、全国何百、何千と施工する大手にとっては、そこまで技術力を徹底・平均化させるのは現実的に難しいとされるため。
  • 工務店を救うため。気密性を数字化することにより、技術力の無い工務店が競争力を無くしてしまうのを防ぐため。
  • 気密性は実際の気密測定でないと測定できないため。

などといった事が言われています。

断熱性であれば使う材料と外皮の計算で結果は出ますので、大手だろうが工務店であろうが工事前に数字は出せます。しかし測定となると工事完了後となる為、完了後の数字次第で結果が変わるというのも中々申請上難しいものがあります。出来上がって測定したら、気密性が足りませんでした~なんて事になっても、もはやどうにもなりませんからね。

気密性が違うとどう違うの?

以前住宅金融公庫の仕様書では5.0cm2/m2以下(関東では)が高気密住宅の基準と言われていました。(現在その基準は削除されています。)

ちなみに私たちの中では1.0cm2/m2をきる住宅が超高気密と言われています。

お客様に0.5cm2/m2(以下0.5と呼びます。)のお家と1.5cm2/m2(以下1.5と呼びます。)のお家は具体的にどう違うの?と質問をされました。よくハガキのサイズで答えるのですが、40坪あたりのお家の場合、0.5では1枚のはがきの半分くらいの隙間があるという事になります。1.5では1.3枚分のはがきサイズの隙間があるという事になります。大体ハガキ1枚弱の隙間の違いがあるという事になります。

ハガキ1枚弱の隙間の差でどれだけの違いが出るのかというと、中々難しいのですがはっきりと言われている事は1.0以下にならないと換気システムは効果的に機能しないという事なんです。そして0.5以下になると、外部からの湿気の流入が防げるので壁体内結露などが防ぎやすくなったり、カビがはえにくくなるとも言われています。

気密性が低くなるほど、外気の影響を受けにくくなるので冷暖房にかける費用も低く抑えられます。そして床上と天井の温度差も無くなりますので、頭寒足熱に近い快適な環境がエアコンで出来てしまいます。

気密性を追い求めるのは訳がある。

私たちからすれば、気密性を追求するのはそこに住むご家族に少しでも快適に毎日を過ごしてほしいという想いがあるからです。快適な毎日とは温度差が無く、しかも光熱費をあまりかけることなく実現させることです。

気密測定をして数字を出すというのは緊張感があるもの。

その現場で活躍する大工さんや電気屋さん、設備屋さんなど常に緊張感が漂います。隙間という隙間をふさいでいこうという気持ちが無いと超高気密の数字は出せません。

皆さん、いかがでしょうか?高気密高断熱住宅に住みたいと思ったとき、緊張感がある中で一生懸命頑張ってくれる職人さんが造ってくれた住まい。特に測定もやらず、口だけ高気密高断熱とうたっている住まい。どちらが想いがこもっていると思いますか?どちらが快適だと安心して生活できますか?

日本は気密性については今のところ求めていませんが、私たちは気密性を追求する事こそ快適な住まい造りだと考えています。